エクステ

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あらすじ:ある日、横浜港に到着した巨大コンテナから、膨大な量の髪の毛が発見される。その髪の中から見つかる少女の遺体。美容師の卵である優子が働く店の周りで続発する不可思議な出来事。警察の死体安置所の管理人であり、究極の髪の毛フェチである山崎は、死後も美しい髪が生え続ける少女の死体から取った髪の毛で、続々とエクステを作った。そのエクステをつけた客が、次々と怪死していき...。



♪ヘヤ〜 ヘヤ〜 My ヘヤ〜 ヘヤ〜♪

 

この歌が耳から離れません。そのくらい大杉漣のキレっぷりがスゴイ映画です。「神の左手 悪魔の右手」の田口トモロヲに匹敵するくらいのキレっぷり。園子温監督の作品を観るのは「奇妙なサーカス」に続いて2作目ですが、相変わらず不思議な映画です。今まで変な(?)女性しか演じていない栗山千明が普通の明るい女の子なのも変ですし、ホラーなのかコメディなのかわからないところも不思議です。

 

最初の構成は詩人らしく物凄い斬新でした。

 

コンテナが運ばれてくる港の警備員が田中要次と柳ユーレイです。しかもチョイ役です。ホラーの常連をチョイ役で使うなんてなんて贅沢なキャスティングなんでしょうか。当然後から出てくるんだろうと思っていたらホントに出てこなかったのでびっくりしました。

 

そして明るい栗山千明の登場です。この時のセリフがスゴイ。なんと台本の状況説明を全て言わせてしまうという荒業です。テレビで説明口調の人を見てそれが面白かったので真似しているうちにクセになってしまったという力技ですがおかげで人物の背景が全てわかりました。この演出はスゴイ斬新で関心しました。

 

あとは栗山千明の美しさと大杉漣の暴走っぷりを楽しむだけです。というかあとはあまり見所がないのが本音です(笑)

 

虐待される女の子を見るのも悲しい気分になりますし、栗山千明の姉も腹が立つくらい嫌な女なんですが、この姉の死に様が期待を裏切るものでした。あれだけ嫌な女だったらムゴイ死に方するんだろうっていう感じでしたが、実際にはふすまの向こうで光と音でなんかやってるだけでした。それにエクステが暴れまわり部屋を切り刻んだはずなのに死体には傷一つありません。

 

奇妙なサーカスでは無意味なグロがあったのにこの作品ではグロは排除したようです。結果、大杉漣の独壇場になってしまいました。よってホラーではなくコメディになってしまいました。

 

園子温監督は「怖いところは怖く、笑えるところは思いっきり笑えるように作ってます」と言っていましたが、怖いところがイマイチなので結局飛びぬけた大杉漣を笑うしかないんですよね。清水崇監督は「笑えるくらい怖いものを撮る」って言っていましたが、園子温監督は最初から笑わせるつもりで撮ってますから恐怖は全くないです。そこがコメディ色が強くなってしまった原因でしょう。

 

あともう一つこの作品もスゴイところは登場人物はほとんど何もしていないという点です。大杉漣は殺人犯ではありません。栗山千明が事件を解決するわけでもありません。大杉漣は死体置き場から髪の綺麗な死体を盗んできただけ。あとはその髪をエクステとして配るくらいです。栗山千明はだたさらわれて逃げようとするだけ。栗山千明が大杉漣を倒して事件解決って話じゃないところがスゴイ。しかも同居していた友人が死んでしまったのにすっかり忘れてしまう非情っぷり。

 

エンディングはハッピーエンドなんですが、そんな明るくていいの?ってくらい明るく終わります。てかそのテンションで家に帰ったら友人が吊るされてるよ?どうするの?って思ってしまいました。

 

ホラーとしてはイマイチですが、コメディとしてはかなりレベルが高いんじゃないでしょうか(笑)

 

大杉漣のファンの方は必ず観ましょう。彼の演技力の高さに感動しもっと好きになることでしょう(笑)

星3つ



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