殺し屋1
あらすじ:いつもおどおどしながら暮らしているイチ。しかし、ひとたび特製スーツに身を包むと殺人マシーンと化す。そんなイチは正体不明の「ジジィ」の巧みな心理操作で殺戮を繰り返す。一方「ピアスのマー坊」の異名をとる安生組の若頭、垣原。垣原は、失踪した組長がジジイに消されたとの情報からイチの存在に行き着く。イチの残虐さに垣原のマゾの血は騒ぎ、イチとの対決に胸躍らせる...。
この作品は三池監督らしい映倫に喧嘩売ってるような無駄な暴力とグロ満載の作品ですが、原作マンガに比べたらまだまだ控えめです(笑)原作はもっとエログロでとても映像では表現できないような描写ばかりなのでよくやったと言えばよくやったほうではないでしょうか。
タイトルが殺し屋1なのに主演は敵対するヤクザの浅野忠信です。イチ役の大森南朋より浅野忠信の方がビッグネームではありますが、それでも浅野忠信を主演にするなんてかわいそうですね。原作ではイチの異常性癖によって殺されていく仲間を見てドMヤクザの垣原が死ぬ寸前の絶望を味わいたいという願望を抱きイチに狙われるのを楽しみにしていくという究極のSMプレイの話です。
最初はヤクザに復讐するジジイとその仲間の話で進んでいきますが、ジジイはカレンという垣原のオキニのホステスと組んでジジイの仲間を垣原に捕まえさせ殺されるように仕向けます。この辺でジジイが最初から自分以外を皆殺しにして口封じするつもりだったんだなってわかります。しかしなぜそんなことするのかわかりませんでした。垣原に個人的恨みがあるようなんですが、深く追求されてません。原作を無理やり2時間にまとめたような作品なのでかなり端折ってます。しかも三池監督曰く原作と勝負していないそうで設定だけ生かしてキャラも勝手に変更してしまってます。
まず垣原はあんなサイケな格好したヤクザではありません。地味なスーツに全身ピアスだらけといういかにも変態的な雰囲気を持った人物です。松尾スズキの双子も刑事ではなくヤクザです。しかもかなり頭のおかしい人物で他人を傷つけることに全く抵抗がありません。というより自分じゃないからどうでもいいというような感じです。
そういえば鉄砲玉の金子役のSABU、ぱっと見オバマ似の芸人ノッチかと思いました(笑)
ノッチこんな作品出てたんだーと思ったら人違いでした。その他、寺島進が情けないヤクザで出てたり意外な大物が出てたりします。これも三池監督の人望でしょうか。ですが、この監督人望はあるんですけど作品に問題が多いんですよね。観客を置いてけぼりにするように時空を飛ばしてしまうんです。しかも作品の後半になるとバンバン飛ばして観客を混乱させて明確なエンディングを示さずうやむやにするという得意技を持ってます。
その作風はこの殺し屋1も多分に漏れず採用されています。
金子とイチとのラーメン屋のシーンから始まり最後の垣原の最後まで、時空を飛ばしてうやむやにする手法が使われています。とくに垣原が鼓膜を破って無音の世界に入ってから死ぬまでと死んだあとのジジイの表情やジジイの結末。そしてイチの消息と最後の振り返る少年など全く解説されていないシーンが盛りだくさんです。しかも音声解説でも一切触れられていません。完全な投げっぱなしなので理解に苦しみます。
ボクの見解ではこのラストは鼓膜を破った垣原のシーンからはジジイの幻想でこうなっているはずだという青写真です。ジジイが垣原に電話した時にオマエもイチも操っているという発言があったのでこのシーンの伏線ではないかと思います。屋根から落ちた垣原を見て予定通りになったと喜んで駆けつけたら額にあるはずの傷が無く初めてジジイの理想から外れる結果となって落胆してしまいます。
その後イチに復讐したであろう金子の息子タケシに数年後に復讐されたというのがあの首吊りでしょうか。でなければタケシの洗脳に失敗して復讐されたかタケシを殺し屋に育て上げてから自殺したのか。ですが、垣原に復讐したあとジジイの生きがいは無くなったのでないでしょうか?また新しい新宿清浄計画を立てたのかもしれませんが、映画では垣原に復讐するのが目的のようなのでジジイの生きている理由が無いんですよね。そうすると自殺したと考えるのか自然ですが、あの振り返った少年がどう見てもタケシと同じ服装なので成長したタケシなんでしょう。ということは垣原が死んでから数年は経っているので数年は生きていたということです。やっぱりタケシに復讐されたと考えるのが自然でしょうか。
原作ファンの方は落胆すると思います。三池監督ファンでグロ好きな人(三池ファンはほとんどそうだと思いますが(^。^))は面白いんじゃないでしょうか。この作品を見て原作マンガを未読の人は原作を読むことをオススメします。原作はこれより激しいですから。

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通りすがりですいません。
垣原の額に傷が無かったのは
耳に針を刺して以降が垣原自身の妄想
だったという解釈はできないでしょうか?
ふと読ませてもらってそう思ったので
失礼ながらコメントしました。
殺し屋2さん>コメントありがとうございます。通りすがりでもコメ残してもらえて嬉しいです(^。^)
垣原の傷ですが、やっぱり垣原の妄想でしょうか?どっちか迷ったんですよね。イチに絶望した垣原は自分の世界に入りたくて鼓膜を破りその瞬間に垣原の理想が見えたという解釈もあるなぁと思いました。
結局解釈を見た人に任せてしまうのが三池作品の特徴ですよね。