富江
あらすじ:伊藤潤二の原作ホラーを映画化。交通事故で記憶生涯と不眠症を患い精神科に通う月子の周囲で奇怪な出来事が起こり始める。事件の捜査を進める原田刑事は、ある高校で失踪した川上富江という生徒の写真を精神科医に見せる。
催眠で強烈なインパクトを残した菅野美穂が新たにホラーに挑戦したのがこの富江。全ての作品を見た人によるとこの菅野美穂の富江が一番イイって言います。ボクは菅ちゃんが比較的好きなのでひいき目に見てしまう部分もあるでしょう。しかし、それを差し置いても内容が薄っぺらいですね...。
ただ、死なない女富江が過去に仲良しだった月子の前に現われるというだけの話です。富江が一方的に友達だったと思っている月子の周りに現われて富江と接点を持った人間が次々と狂って死んでいくという話です。ホラーのわりには恐怖描写が少なくサスペンスタッチで進んでいくのであまり怖くありません。一番怖かったのは月子の前に現われた菅野美穂の顔でしょうか。あのニヤッと笑った顔は本当に怖いです。
富江は設定上、恐ろしいほど美しいらしいのですが、菅ちゃんはそこまで美しくはなくどちらかといえばカワイイ顔してるので富江の設定からは外れていると思います。ですが、暗がりから無邪気な残虐性を残したあの笑顔は本当に怖いです。特にあの目。イグアナの娘だったからどうかは知りませんが、爬虫類的な感情を持たないような目はスゴイですね。催眠でも目が怖かったですが、菅野美穂は目の表現力が特に素晴しい女優さんだと思います。
富江は女性恐怖症だった作者が女性のイメージをそのまま具現化したものらしく悪女中の悪女らしいです。ですが、作品の中ではそこまで悪女らしいと感じた部分はありませんでした。富江が特に何をするわけでもなくただ周りにいる男達が狂っていって殺し合いを始めてしまうというだけで裏でなにかしているという雰囲気が全くないんです。最後まで富江と距離を置いていた月子の彼氏ですが、結局富江の色仕掛けで催眠状態になって富江の虜になってしまいます。
ですが、ここにきちんと伏線が含まれていました。月子が彼氏と撮った写真が彼氏の前に投げられました。ここで写真を撮った時に言った言葉「裏切らないでね」これが伏線となり写真を見た催眠状態の彼氏はこの言葉を思い出したかどうかは知りませんが、富江を殺してしまいます。これは高校時代に月子と月子の彼氏に殺された時と同じような展開でした。富江は何回も殺されているらしいので友人の彼氏を奪い取ったら殺されるということを知っているはずです。ですが何回も殺されてしまうということは富江自身が殺されることを望んでいるのでしょう。
ってことは富江は究極のドMなんではないでしょうか(笑)
多分富江自身が殺されるように仕向けているんでしょう。何回も殺されるなんてただのバカですからね。いくら幼稚性が高いと言っても自分が殺されるような苦しみは味わいたくないはずですから。
そういえば、前回殺されて首を切られた時は、復活までかなり時間がかかりましたが、2回目は速攻で元に戻りました。これって不自然ですね。首無し状態で立ち上がり動き出して次のシーンでは普通に戻ってました。そして最後のセリフ「私があなたであなたが私。これもわすれちゃったぁ?」
結局この言葉の意味はわかりませんでした。最後月子にも富江と同じ位置にホクロが出来て富江が横から現われるんですが、月子は富江の分身だったのかそれとも月子の無意識から富江が生まれたのか。よくわからないまま「なんだ、女の歪んだ友情の話か」なんて印象しか持ちませんでした。内容が薄いのが残念でしたね。

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